所 信 理事長 井口 学
私たちのJCには、創立から40年間にわたる気概に満ちた活動の歴史と伝統があります。この歴史と伝統は、私たち一人ひとりのメンバーに強いパワーを与え、大きなポテンシャリティーを感じさせてくれます。私たちは、このJCのパワーとポテンシャリティーを活かし、新しい視点を加えつつ、LOMビジョンである「活力と心の通う共生社会」の実現に向けた活動を積み重ねていかなくてはなりません。
特に、2005年度は、40年前にこの相模原の地において、地域のために、市民のために、そして、なにより未来のためにという気概をもって結集した、先輩諸氏の創始の精神を今一度思い返しつつ、LOM運動指針を踏まえて新たな歩みを始めてまいります。
第1 基本姿勢
1 JC活動の基本姿勢 メンバー一人ひとりが好きなことを一人の力で取り組んだとしても、この地域を大きく動かすことは難しいものです。しかし、私たちにはこのJCがあります。このJCのパワーとポテンシャリティーで、一人の力では難しい活動も実践することができます。
このJCを最大限に活用するためには、先ず、一人ひとりが自分の想いを多くのメンバーに伝え広め、メンバーの共感と理解を得ることが大切です。そして、この一つの想いに多くのメンバーが共感し、理解し、そして協力し合うことが必要です。
メンバーの共感や理解をなかなか得られないと言って簡単にあきらめるのではなく、一人のメンバーの想いを、やがては全てのメンバーの想いへと育てあげ、JCのパワーとポテンシャリティーで地域を動かし、そして大きな感動を得るという、このJCの醍醐味を楽しみながら活動することが大切です。
2 委員会活動の基本姿勢
JC活動のベースは、メンバー一人ひとりが担当する委員会です。この委員会は第一に議論の場であることを理解しなくてはなりません。精一杯、そして、たくさん議論することが必要です。せっかくの想いがあったとしても、人に伝えることがなければ、なにも始まりません。メンバー一人ひとりの想いを表現するのも、メンバー一人ひとりの発想をぶつけあうのも、メンバー一人ひとりの発想を大きく育て合うのも、全てはJC活動のベースであり、議論の場である委員会です。遊ぶという楽しさだけではなく、想いや発想をぶつけあう楽しさを感じる委員会で、想いを形にする過程を楽しむことが大切です。
3 議論の基本姿勢
新しい視点は新しい発想を生み、新しい発想はJCのポテンシャリティーを高めていきます。新鮮な視点を持ったメンバーが活躍するJCは、とても魅力的で理想的です。JC活動に新しい発想を取り入れるためには、新しい発想を過去の前例や慣習でただちに否定することを極力避けながら、前例や慣習を踏まえて活かしつつ、新しい発想を発展的に採り入れること、メンバー一人ひとりが意見に責任を持ちながらも、臆することなく斬新な提案をし、そして実践に結びつけられるような相互理解が大切です。
4 事業構築の基本姿勢
JCが取り組むべき課題は、昨今、非常に広範になり、そして、複雑になっていると思います。このため、委員会において担当する課題を充分に検討しながら、多くの課題の中から最重要課題をピックアップし、実践の切り口を見出して、重点的に取り組むことが必要です。特に、40周年を迎えるこの年の活動は、向こう10年間の活動の方向性を示すような1年になることも考えられます。できる限り多くの場面で市民と協働しながら、創始の気概、すなわち、地域のため、市民のため、そして、未来のためという気概をもって取り組むことが必要です。また、プラン・ドウ・チェック・アクションという過程を意識して、可能性のある魅力的な事業を模索し続けることが必要です。
第2 活動の方向性
1 40周年の各種事業
私たちは、現在までに培ったノウハウを活かし、JCらしい記念式典や祝賀会を開催するほか、記念事業として、できる限り多くの市民と協働しながら、昨今の活動の柱である地域(まち)、青少年に視点をあてた事業に取り組んでまいります。特に、地域(まち)に視点をあてた事業ではこの地域(まち)の魅力や活力が再認識できること、青少年に視点をあてた事業では子どもたちに達成感を与えることができること、これらを強く意識した事業を展開いたします。さらに、この40年は、創立時から多くのメンバーによる活動の連鎖であることを踏まえ、40周年事業を通じたOBとの連携や絆を強める事業を実施するほか、記念誌や各種ツールの制作編集事業を活用して強めてまいります。
2 広域的なまちづくり
この地域では、相模原と津久井地域の行政合併の協議が進んでいます。私たちは、これを踏まえて、広域的なまちづくりの検討を進めていかなくてはなりません。そもそも私たちは、この地域が自立することを念頭に、あらゆる可能性を検討して提案を行ってまいりました。上述の行政合併はこの可能性の一つであり、私たちの提案の方向性と一致するものの、ここでとどまることなく、さらに進んでこの地域が自立するための理想像を追求してまいります。また、相模原と津久井地域の行政合併の動きを踏まえながら、効果的・効率的なまちづくりをするという観点から、相模原と津久井地域にあるJCの将来のあり方や活動の方向性について模索・検討をもはじめてまいります。
3 会員研修と交流
人は、人と接することで磨き上げられていきます。だからこそ、私たちは、このJCに集い、互いを磨きあっています。JCでは、JCという擬似組織における日々の活動を通じ、主にリーダーシップを磨き上げる研鑚が行われていますが、メンバー一人ひとりにさらに多くの研修の機会を提供していく必要があります。また、人間力をより高めるためには、前例や他例を学ぶことも必要であり、多くのJCの人材から学びあうことを意識した研修を行うことも必要です。さらに、メンバー間の交流をはかることは、研鑚を重ねることと同列に必要です。メンバー間の交流を中心に、OBや家族をも含めた交流の場をつくり上げてまいります。
4 会員の拡大
JCのパワーやポテンシャリティーの根源は、創立時から現在までの全てのメンバー一人ひとりです。多くのメンバーが集うJCは、大きなパワーや高いポテンシャリティーを持つことができます。今後、相模原と津久井地域にあるJCの将来のあり方や活動の方向性を検討することに歩調を合わせ、例えば、この地域に200人規模のJCをつくり上げてみたい、女性メンバーの割合が30%規模のJCをつくり上げてみたい、と言うような大きな理想を胸に精力的な拡大を進めていかなくてはなりません。また、入会後のメンバーが、いち早くJCに溶け込み、いきいきとした活動ができるよう、そのフォローやベーシック研修などを進めてまいります。
5 地域貢献活動
地域主権型社会を目指すJCは、この地域に、市民一人ひとりが地域のことを考えることができる活動を、少しずつでも広めていかなくてはなりません。この活動は、まさに創始の精神に合致するもので、一時に大きな成果が生まれなくても、この取り組みを放棄することなく、あらゆる場面を利用して、さらに活動を継続してまいります。また、近年の相模原市民まつりが参加者の発表の場に変化し、市民が気軽に参加できる市民まつりではなくなっていることから、2004年度では、市民まつりの創始の想い・市民まつりの本旨を思い返し、市民参加型の夢のあるイベントを企画実施して、市民まつりのあり方に一石を投じましたが、さらにこの想いを推進させて、精力的に取り組んでまいります。
6 能動的組織運営
組織の運営は、変化させ変化させないということが大切です。取り組み方法を変えることによって、組織運営に支障をきたしては意味がありません。工夫して効率化をはかりながら、従前以上に効果的な組織運営をする必要があります。これを踏まえて、組織運営でのデジタル活用を引き続き定着させ、また、会員用連絡方法でのメーリングリストの活用や広報でのホームページの活用を検討し、確実性と効率性を求めてまいります。
7 渉外活動および出向
活動の範囲を広くすることによって、新しい視点が生まれてきます。JCの組織力や各地で活躍するメンバーを知ることによって、また、近隣LOMとの連携を深めることによって、互いが切磋琢磨し、より高い目標を持つことが可能になります。できる限り多くのメンバーが、ただ行く、ただ出向するというのではなく、それぞれが目的を持ち、さまざまな場面で活躍する意気込みで、渉外事業に参加し、また、出向することが必要です。
8 継続的検討課題
昨今のJCでは、多くの課題に取り組む必要があります。JCがこの地域に大きな責任を持てば持つほど、組織として責任ある対応が必要になります。メンバー一人ひとりがJCという組織の責任を理解して、現在を判断する責任ある議論を進めていくことが大切です。例えば、市民まつりへのかかわりについては、運営の市民団体への移行が完了した現在、市民まつりが抱える課題を理解し、市民まつりの立ち上げに深くかかわった責任をさらに果たしていく姿勢を持たなくてはなりません。また、行政合併に対するかかわりについては、現在までの取り組みの方向性を踏まえ、地域に根ざすまちづくり団体の責任を果たすばかりではなく、私たちのJCのあり方についても責任をある議論をしなくてはなりません。このように、多くの課題について、JCの各組織(総会、理事会、正副理事会など)の機能を活用し、責任をもった時機に遅れない対応を進めてまいります。
第3 おわりに
JCは地域貢献活動をする団体であるのか、ひとづくりの研修をする団体であるのかの議論がよくなされます。このことは、創始の精神を思い返したとき、おのずと答えが導きだされます。JC活動を通じて、地域に貢献しながら、互いを磨きあい、磨かれた人材でさらに地域に貢献していく、これがJCの意義です。是非、メンバー一人ひとりがJCを通じて取り組みたいテーマや課題を見出し、JCの総力をもって、メンバー一人ひとりの強い想いをひとつでも形にするよう活動してまいりましょう。